インターネット上のアクセスのうち、約57%は人ではないプログラムからのものです。2026年にCloudflareが公表した計測結果で、人間による通信を初めて上回りました。ご自身のホームページのアクセス数にも、同じものが混ざっている可能性があります。この記事では、アクセス数のどこを見れば実際の反応につながっているのかが分かるのかを、アクセス解析の画面の開き方とあわせてお伝えします。
アクセスの半分以上は、すでに人ではありません
まず、全体の話からお伝えします。
インターネットを行き交うアクセスのうち、人によるものは半分を下回りました。世界のウェブサイトの多くを支えているCloudflareという会社が、2026年にそう公表しています。ボットと呼ばれるプログラムが約57%を占めていました。
ただしこれは、インターネット全体の割合です。ご自身のサイトがそのとおりだとは限りません。多いサイトもあれば、少ないサイトもあります。
プログラムからのアクセスには、害のないものもあります。検索エンジンがページの中身を読みに来る動きが、その代表です。
問題は、そうではないものです。広告費を受け取ることを目的に、自動でクリックを繰り返す手口があります。
だから、見るべき数字はアクセスの総数ではありません。問い合わせや電話につながった経路のほうです。
実際に、このサイトの1日を見てみました
2026年8月23日、このサイトのサーバー記録を1日分開いてみました。
朝3時から夕方4時までのあいだに届いたアクセスのうち、人が見たと判断できるものは数件でした。
内訳はこうです。GoogleやBingの検索エンジン。ChatGPTやPerplexityといったAIサービス。SNSがリンクの見た目を作るための巡回。ここまでは、あって当たり前のものです。
問題は、その先にありました。
存在しないファイルを次々と探しに来る動きが、1日に4回ありました。1回あたり数百件です。管理画面を探すような名前ばかりが並んでいます。

このアクセスが自己申告していた名前は「Chrome」でした。名乗っているボットは見分けられます。名乗らないものが、いちばん多いのです。
そして、朝6時58分。トップページを開いた7秒後に、お問い合わせフォームが送信されていました。ページの画像もデザインも読み込まずにです。

アクセス数だけでなく、問い合わせの件数にも、人でないものが混ざります。
大手企業でも、同じことが起きています
2026年8月、読売新聞が具体的な事例を報じました。
フラワーギフト大手の花キューピットでは、母の日の商戦期に広告のクリック数が例年より約1割増えました。それだけの来訪があれば売上も伸びるはずでしたが、結果は前年から横ばいだったといいます。
調べたところ、同社の広告は背景が真っ白なサイトに、約100社の広告とともに並んでいました。中身のないページで、プログラムがひたすらクリックしていたとみられています。
こうした行為はアドフラウド、日本語では広告費の詐取と呼ばれます。ある調査会社の推計では、日本国内の被害額は2025年の1年間で1,591億円あまりとされています。
規模はまったく違います。それでも、画面に出ている数字の性質は同じです。
Googleアナリティクスで見る場所を変えます
数字の見方を変えるだけなら、費用はかかりません。開く場所を3か所に絞ります。
1. 問い合わせページにたどり着いた数
アクセスの総数ではなく、問い合わせフォームや電話番号のページが何回開かれたかを見ます。
レポートの「エンゲージメント」から「ページとスクリーン」を開くと、ページごとの数字が並びます。ここで問い合わせページの行を探してください。
2. どこから来たのか
「トラフィック獲得」を開くと、検索から来たのか、SNSから来たのかが分かります。
見覚えのない参照元が上位に並んでいる場合は、確認する価値があります。
3. 滞在時間が極端に短い経路
ページを開いてすぐ離れているアクセスが、特定の経路に集中していることがあります。
人が読んでいるなら、ある程度の時間はかかります。数字が不自然に短いときは、そこを疑ってみてください。
「うちのサイトはどうなのか」を確かめる方法
なお、この比較にはアクセス解析の設置が前提になります。Googleアナリティクスの画面に「データを受信していません」と表示されている場合は、まず設置からです。タグを入れた時点からしかデータは貯まらないので、早く入れるほど後で見られる範囲が広がります。
割合はサイトによって変わります。ご自身のサイトの状態は、2つの数字を並べると見えてきます。
1つ目は、Googleアナリティクスの数字です。
Googleアナリティクスは、よく知られたプログラムからのアクセスを自動的に除いています。ブラウザで実際に表示されたものだけを数える仕組みでもあります。つまり、ここに出ている数字は人に近いものです。
2つ目は、サーバー側の数字です。
エックスサーバーをお使いの場合は、サーバーパネルの左メニューにある「アクセス解析」を開きます。ここには、サーバーに届いたアクセスがそのまま集計されています。プログラムからのものも入っています。サーバーによって画面の名前は異なります。
この2つを、同じ月で比べてみてください。
サーバー側のほうが大きくなります。ここまでは普通のことです。差があること自体は、問題ではありません。
見るのは差の大きさではなく、差の動き方です。先月まで2倍だった差が、今月だけ5倍に開いている。サーバー側だけが急に増えて、Googleアナリティクスの数字は変わらない。こうした変化があったときは、中身を確認します。
そのときに開くのが、同じメニューの中にある「アクセスログ」です。日付を選んで「表示」を押すと、その日に届いたアクセスが1行ずつ並びます。行の末尾には、アクセスしてきた相手の名前が記録されています。
文字の羅列に見えると思います。読み解けなくて構いません。どこを開けばいいかを知っているだけで、相談の精度が変わります。
対策をすると、数字が下がって見えることがあります
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
総務省は2025年6月9日、広告を出す企業に向けた指針を公表しました。そのなかに、こう書かれています。広告の品質を測る指標を重視して対策を講じると、クリック率などの目先の成果指標は悪化することが予測される、と。
続けて、こうあります。それ自体は、質的に問題のある配信や偽装されたクリックが排除された結果である、と。
つまり、数字が減ったのではありません。もともと数字ではなかったものが、取り除かれただけです。
指針では、この背景を経営層や管理職が理解したうえで、複数の指標を組み合わせて評価する必要があるとしています。国の文書が、わざわざこの点に触れているということです。
まとめ|順番があります
アクセス数を増やすことより先に、いま出ている数字の中身を確かめる。この順番のほうが、結果として遠回りになりません。
ホームページは、公開してからが本番です。アクセス解析の画面を開いてみて、どこを見ればいいか分からないという段階からご相談いただけます。
代表の山本は、テクノロジーメディア『innovaTopia』にて累計約4,500本を執筆しています。冒頭でご紹介したCloudflareの計測結果も、こちらの記事で扱いました。ウェブ解析士として、アクセス状況を確認しながら改善を続けるお手伝いをしています。
ご相談とお見積もりは無料です。お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
出典
- innovaTopia「ボットトラフィック、人間を初めて超える|Cloudflare最新データで見る『ボットが支配するウェブ』の現実」(2026年6月25日)https://innovatopia.jp/ai/ai-news/110837/
- 読売新聞オンライン「広告のクリック数増えたのに売り上げ伸びず、正体は『bot』だった…世にはびこる広告費詐取・日本では350億円被害か」(2026年8月21日)
- 総務省「デジタル広告の適正かつ効果的な配信に向けた広告主等向けガイダンス」(2025年6月9日)https://www.soumu.go.jp/main_content/001013697.pdf

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