GIMPという画像編集ソフトをご存じでしょうか。1995年から31年続いている、無料のソフトです。仕事がすぐ速くなる話ではありません。
ただ、よく耳にする「オープンソース」という言葉の意味は、このソフト1本の歴史をたどるとよく分かります。作った2人が去っても止まらなかった理由まで、順を追ってご紹介します。
GIMPは、31年続いている無料の画像編集ソフトです
GIMPは、写真の加工やイラスト制作に使う画像編集ソフトです。1995年、カリフォルニア大学バークレー校の学生2人が作り始めました。
きっかけは、コンパイラを作る授業の課題でした。うまくいかず、何か役に立つものを作ろうと考えたのだと、本人たちが振り返っています。当時ピーター・マティス氏は、Photoshopのような画像編集ソフトを想定していました。
WindowsでもMacでも動きます。公式サイトからは無料で入手できます。試用期間つきでも、機能を削った無料版でもありません。
オープンソースとは、中身が公開され、使い方が開かれているソフトのことです
ソフトには、設計図にあたるソースコードがあります。これが公開されていることが、ひとつめの条件です。
ただし、見られるだけではオープンソースとは呼びません。使うこと、直すこと、直したものを配ることを認めるライセンスで提供されている必要があります。GIMPの場合は、GPLというライセンスがこれを定めています。
無料とは限りません。条件を守れば、有償で販売することもできます。GIMPが無料で配られているのは、そういう運用が選ばれているからです。
作り始めた2人が去ったあとも、開発は続きました
1997年6月9日に公開された版が、2人にとって最後のリリースになりました。その夏、2人は卒業して就職し、GIMPの開発から離れていきます。
それでもGIMPは止まりませんでした。残った人たちが引き継ぎ、翌年には最初の安定版が公開されています。
当時は、改変や再配布を認める仕組みに加えて、すでに他の開発者も参加していました。実際、2人が離れたあとも、その人たちが開発を続けています。
画像編集ソフトのために作られた部品が、今も広く使われています
1996年、開発チームは画面を作るための道具を自分たちで用意しました。GTKがボタンなどの画面部品を担い、GDKがその下を支えます。既存のMotifへの依存をやめるためでした。
このGTKを、1997年に始まったGNOMEというプロジェクトが採用します。Linuxで使うデスクトップ画面を作るプロジェクトです。
GTKは現在も、GNOMEをはじめLinux向けの多くのアプリケーションで使われています。画像編集ソフトのために書かれた道具が、別の場所で広く根づきました。
1997年から使ってきた保存形式を、いま作り直しています
2026年8月16日、GIMPの開発チームが最新の開発状況を公開しました。1997年から使ってきた保存形式を、新しく作り直しているそうです。
より大規模で複雑な制作に対応しやすくするためだといいます。今後予定されている複数ページ機能や、アニメーション機能の拡張が、その例として挙げられています。
ただし、古い形式のファイルは今後も開けるようにするとしています。開発チームは、1998年に作られたファイルが今も同じように開くことを、誇りに思うと書いていました。
捨てないために替える。31年続いてきた理由が、この一文に表れているように思います。
ソフトを選ぶときは、3つの軸を分けて見ると迷いません
無料か有料か。中身が公開されているか。誰が作り、誰に相談できるか。
この3つは、それぞれ別の話です。企業が作るオープンソースもありますし、無料でも中身を公開していないソフトもあります。
相談先の形もさまざまです。企業の専用窓口があるものもあります。GIMPのように、公式のフォーラムやチャットで利用者や開発者に尋ねる形のものもあります。
どれが良いという話ではありません。ただ、この3つを分けて見ると、道具の性質がつかみやすくなります。
何から選べばいいか分からない、という段階からご相談いただけます。ご相談とお見積もりは無料です。
参考
GIMP公式サイト
https://www.gimp.org/
Development Update, August 2026
https://www.gimp.org/news/2026/08/16/dev-update-august-2026/
Open Source Initiative「The Open Source Definition」
https://opensource.org/osd

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