展示会や広告の費用に使える兵庫県の補助金、9月30日まで

兵庫県が「稼ぐ力の強化に向けた経営構造改革支援事業費補助金」の公募を、2026年9月2日(水)から始めます。展示会への出展費用や広告宣伝費、外部の専門家に相談する費用などが対象で、上限は100万円です。

申請期間は9月30日(水)までと短く、商工会・商工会議所による経営指導も必要になります。制度の内容と、申請までに必要な準備をまとめました。

目次

対象になるのは展示会出展費や広告宣伝費

公募要領に挙げられている補助対象経費は、次のとおりです。

  • 展示会出展費(参加費、会場費、会場装飾費、運搬費など)
  • 外部専門家コンサルタント費、講師謝金
  • 旅費、宿泊費
  • 通訳費、翻訳費
  • 技術習得費
  • 原材料購入費(新商品開発に必要な分に限る)
  • 広告宣伝費
  • その他知事が必要と認める経費

補助率は補助対象経費の2分の1以内です。小規模事業者の場合は3分の2以内になります。

補助金額の上限は100万円です。補助対象経費に補助率をかけた額に1,000円未満の端数が出た場合は、切り捨てになります。

対象にならない経費

  • 通常の事業活動に係る経費(商品の仕入れ、システムなどの単なる更新)
  • 汎用的に使える機械等(パソコン、電話機、スマートフォン、事務用プリンター、複合機、一般事務用ソフトウェア)
  • 保証料、保険料、保守料、管理料
  • 役員報酬、直接人件費、日当
  • 補助金の申請書類や実績報告書の作成にかかる費用
  • 事務用品などの消耗品、名刺
  • 振込手数料、通信費、公租公課

旅費では、ガソリン代、駐車場代、タクシー代、レンタカー代、高速道路通行料が対象外です。グリーン車などの付加料金分も認められません。

広告宣伝費では、宣伝広告の掲載がない販促品と、デザインを変更しない既存パッケージの印刷・購入が対象外です。有料配信する動画の制作費も認められません。

交付決定より前の発注・契約は対象外

ここが最も注意が必要な点です。

補助事業への着手、つまり発注、契約、登録、申し込み、支出は、交付決定通知書に記載された交付決定日から可能になります。交付決定日より前に行った発注や契約、支払いは、補助の対象外です。

「補助金を使いたい」と考えて先に発注してしまうと、その費用は対象になりません。申請してから交付決定が出るまで待つ必要があります。

支払い方法にも指定があります。原則として銀行振込のみで、旅費と宿泊費に限って現金払いが認められています。

対象は県内の中小企業者等で、創業から1年以上

主な要件は次のとおりです。

  • 申請日時点で、兵庫県内に補助事業を実施する事業所があること
  • 申請日時点で、創業(開業)から1年以上経過していること
  • 商工会・商工会議所の経営指導の結果、経営構造改革につながると認められること
  • 県税の滞納がないこと
  • 同一とみなされる事業で、国や自治体の他の補助制度の交付決定を受けていないこと
  • 同一事業者が複数の申請をしていないこと

このほか、公序良俗に反しないこと、公的な資金の使途として不適切でないこと、暴力団または暴力団員と関係がないことが条件になります。

複数の屋号を使っている個人事業主も、申請は1件までです。代表者が同じ複数の法人で申請することもできません。

医療法人や学校法人、一般社団法人、任意団体は対象外です。みなし大企業に該当する場合も対象になりません。

小規模事業者は補助率が3分の2

補助率が3分の2になる小規模事業者は、常時使用する従業員の数で判断されます。

  • 製造業その他:20人以下
  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業以外):5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下

補助事業計画書では、この区分がさらに業種ごとに割り付けられています。小売業と飲食店は同じ区分で5人以下、ソフトウェア業と情報処理サービス業も5人以下です。

会社役員は原則としてこの人数に含めませんが、従業員を兼務している役員は含めます。個人事業主本人と同居の親族従業員は含めません。

このほか、育児休業や介護休業などで休業・休職中の社員、一定の条件に当てはまるパートタイム労働者も除外されます。

申請書に何を書くのか

補助事業計画書(様式第1-1号)で記入するのは、次の8項目です。

  1. 現在の事業内容
  2. 自社の強み
  3. 自社の弱み
  4. 本補助事業の実施の必要性
  5. 実施する取組等の概要
  6. 取組の実施によって期待される効果
  7. 経費予算書
  8. 役員一覧

2と3では、競合と比べて優れている点と劣っている点を書きます。4では、その強みと弱みを踏まえて、なぜこの取り組みが必要なのかを説明します。6の効果については、可能な限り数値を用いるよう指示があります。

経費予算書は税抜の金額で記入します。役員一覧には氏名と役職のほか、生年月日、性別、住所も記載します。個人事業主の場合は本人を記載します。

なお、誓約書(様式第1号の2)は補助金交付申請書(様式第1号)と同じエクセルファイルに収録されています。他の補助金の申請状況を書く欄には、申請予定のものも含めます。

申請までのスケジュール

公募期間は2026年9月2日(水)から9月30日(水)までです。

申請には商工会・商工会議所による経営指導が必要で、県は公募期限の1週間前までを目安に依頼するよう案内しています。9月23日(水)ごろが目安になります。

交付決定を受けたあとの事業実施期間は、交付決定日から2027年1月31日(日)までです。実績報告は、補助事業が完了した日から30日以内か、2027年2月10日(水)のいずれか早い日までに提出します。

申請は電子メールで行い、件名は「【交付申請】経営構造改革(事業者名)」とするよう指定されています。県が配布するエクセル様式は、エクセルファイルのまま提出します。PDFなどに変換しないよう案内されています。

提出先のメールアドレスは、2026年8月28日時点でまだ公表されていません。 県のページに「決定次第、お知らせします」と記載があるため、申請前に必ず確認してください。

審査の方法と加点項目

審査は提出書類のみで行われ、ヒアリングはありません。先着順でもありません。

計画の審査では、現状と課題の認識、取り組みの必要性と合理性、実施による効果が見られます。

加点の対象になるのは次の3つです。いずれも申請日時点で満たしている必要があります。

  • ひょうご産業SDGs認証事業の認証を受けている
  • ひょうご産業SDGs推進宣言事業の登録、または姫路市SDGs宣言など県内市町等のSDGs宣言・登録を受けている
  • パートナーシップ構築宣言をし、ポータルサイトの「登録企業リスト」に企業名の掲載がある

交付決定を受けた場合、商号または屋号が公表されることがあります。法人の場合は法人番号も対象です。

補助金を受け取ったあとも義務が残ります。事業完了年度の翌年から3年間、毎年「事業効果報告書」を提出し、関係書類は2032年3月31日まで保存する必要があります。

設備を導入する場合は別の制度がある

兵庫県は同じ「稼ぐ力の強化」の枠で、設備投資支援事業も実施しています。

こちらは収益力の向上につながる設備の導入が対象で、上限は500万円(下限25万円)です。機械装置の購入・製作・改良、専用ソフトウェアや情報システムの購入・構築、その運搬や据え付けの費用が対象になります。単価50万円(税抜)以上という条件があります。

第2期の公募期間は2026年9月1日(火)から9月30日(水)まで、事業実施期間は交付決定日から2027年1月31日(日)までです。第1期で採択された事業者は、第2期に申請できません。

設備を入れるのか、展示会や広告に取り組むのか。用途によって申請する制度が変わります。

まずは商工会・商工会議所へ相談を

どちらの制度も、申請には商工会・商工会議所の経営指導が前提になっています。制度の利用を検討している場合は、まず地域の商工会・商工会議所へ連絡してください。

制度の詳細は、県の公募要領で確認できます。

経営構造改革支援事業のページはこちら
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/kaseguchikarakaikaku.html

設備投資支援事業のページはこちら
https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr07/kaseguchikara.html

この記事は2026年8月28日時点の公募要領(2026年8月26日版)と県のウェブサイト、公開されている申請様式をもとに作成しています。制度の内容は変更される場合があるため、申請の際は必ず最新の公募要領を確認してください。

問い合わせ先は、兵庫県産業労働部地域経済課(078-362-9184)です。

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この記事を書いた人

デジタルとリアルの交差点をつくる

合同会社デジタルの窓口 代表
山本 達也(ヤマタツ)

兵庫県姫路市を拠点に、WebディレクションやAI活用支援をはじめ、多岐にわたって活動しています。IT専門メディアのテックライター・AIナビゲーターとしては、生成AIやエージェンティックAI、サイバーセキュリティ、宇宙開発といった最先端テクノロジー領域を中心に、これまでに累計約4,500本の記事を執筆してきました。

ウェブ解析士やデジタル推進委員としてのデータに基づく専門的な視点を持つ一方で、ハイブリッド型ビジネス交流会「クロストーク」の代表も務めています。オンラインの最先端テクノロジーだけでなく、オフラインの「人と人との繋がり」や地域のコミュニティを大切にし、デジタルとリアルの両面から起業家や企業の皆様に伴走するスタイルを得意としています。

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