Claudeを開発するAnthropicは2026年10月6日、スタートアップ支援の「Claude Startups」を拡充しました。日本のスタートアップも条件を満たせば応募でき、ベンチャーキャピタルからの出資は必須ではありません。この記事では、応募の条件と、承認されたときに受け取れるもの、申し込む前に確かめておきたい点を整理します。
日本のスタートアップも応募できます
結論から書くと、日本のスタートアップも、条件を満たせばClaude Startupsに応募できます。利用規約が対象外としているのは、ベラルーシ、中国、ロシアなどの指定地域で設立・事業運営する企業です。それらの地域の人にAnthropicのサービスを提供する予定の企業も対象外です。日本はこの地域リストに含まれていません。
日本語の公式ページも、新しい応募条件で公開されています。応募の条件は、次のどちらか一方を満たすことです。
- 設立から5年以内であること
- 直近2年以内に資金調達をしていること
以前の公式説明では、APIクレジットなどを受け取る条件に、機関投資家からの出資が含まれていました。今回の説明では、自己資金で立ち上げた会社や、出資を受ける前の段階の会社も対象だと明記されています。
ただし、応募できることと承認されることは別です。すべての申請が審査され、承認するかどうかはAnthropicが判断します。
承認されると受け取れるもの
承認されたメンバーが受け取れる特典は、大きく4つに分かれます。
| 特典 | 内容 |
|---|---|
| Claude Team | Premium席を最大5席、1年間無料。Teamを新たに使う組織が対象 |
| APIクレジット | 1,000ドル分。付与から6か月で失効 |
| Claude Startup Stack | Claudeで事業を営む16社の割引やクレジット。合計で最大45,000ドル相当 |
| 相談と交流の場 | AnthropicのApplied AIチームとのオフィスアワー、イベントへの参加など |
Claude Teamの1年無料
Claude Teamは、組織でClaudeを使うための有料プランです。プログラムでは、使用量の多いPremium席を最大5席、1年間無料で使えます。料金ページでは、Premium席は年払いで1席あたり月100ドルとされています。
この特典は、Teamプランを新たに使う組織だけが対象です。すでにTeamを契約している組織は含まれません。
APIクレジット1,000ドル
APIは、自社のアプリやサービスからClaudeを呼び出すための接続口です。今回のクレジットは、その利用料に充てられる無料の利用枠です。承認されたすべての会社に1,000ドル分が付与されます。
使えるのは、AnthropicのClaude Consoleを通じたAPIだけです。AWSのAmazon BedrockやGoogle CloudのVertex AIを経由したClaudeの利用には充てられません。クレジットを受け取ると、一定時間内に送れるリクエスト数や処理量の上限(レート制限)も自動で引き上げられます。
Anthropicと提携するベンチャーキャピタルの支援を受けている場合は、追加のクレジットもあります。そのベンチャーキャピタルを通じて、最大10万ドルを受け取れることがあります。
16社の特典「Claude Startup Stack」
Claude Startup Stackは、Claudeを使って事業を営む16社が提供する割引やクレジットの一覧です。たとえば、プロジェクト管理のLinearは、Businessプランが6か月無料です。会議メモのGranolaは、Businessプランが3か月無料(最大10席)です。
最大45,000ドルという額は、すべての特典の最大価値を、2026年9月時点の各社の定価で足し合わせたものです。実際の価値は、使う特典やプラン、人数によって変わります。すべての特典を受け取ったり併用したりできるとは限りません。
特典は各社が提供しており、利用条件は各社の規約に従います。Anthropicが各社のサービスを推奨しているわけではない点も、規約に明記されています。
相談と交流の場
メンバーは、AnthropicのApplied AIチームとのオフィスアワーに参加できます。隔週で開かれる45分のオンラインセッションです。Claudeの連携機能を探せる「Claude Marketplace」に自社のサービスを載せたい場合は、準備と審査提出の支援も受けられます。このほか、イベントやニュースレターも用意されています。
申し込む前に確かめたい5つのこと
応募の前に、次の5点を確かめておくと手戻りを防げます。
1.自社サイトと同じドメインのメールアドレスがあるか
申請には、自社のウェブサイトのドメインと一致する会社のメールアドレスが必要です。たとえば、サイトが example.co.jp なら、info@example.co.jp のようなアドレスです。フリーメールしか使っていない場合は、先に独自ドメインのメールを用意する必要があります。
2.個人事業主の場合は扱いを確かめる
公式の説明は「スタートアップ」を対象としています。個人事業主がどう扱われるかは明記されていません。法人化していない場合は、申請前に公式ページで最新の条件を確かめてください。
3.Claudeをどの経路で使っているか
AWSやGoogle Cloudを経由してClaudeを使っている場合、APIクレジットはその利用には充てられません。Claude Consoleで直接APIを使う形に切り替えるかどうかも、あわせて考えておく必要があります。
4.クレジットの期限に合わせて使う予定があるか
APIクレジットは、付与から6か月で失効します。試作や検証の予定が具体的に決まってから申し込むと、無駄なく使えます。
5.税務上の扱いを確認する
規約では、クレジットを受け取ったときの税務上の扱いは、受け取った側が判断するとされています。会計処理が気になる場合は、顧問の税理士にご確認ください。
申し込みの流れ
申し込みは、オンラインで完結します。
- Claude Consoleのアカウントを用意する。Claude Consoleは、チャットアプリのClaudeとは別の、API用の管理画面です
- Claude Startupsの公式ページから申請フォームを開き、Claude Consoleにサインインする
- 会社のメールアドレスや、作っているものの短い説明などを入力して送信する
- 審査結果をメールで受け取る。多くは数分で決まり、手動審査になった場合は通常2〜3営業日かかる
- 承認後、Claude Console内のClaude StartupsのページでTeamの特典とクレジットを受け取る
公式ページ:Claude Startups(Anthropic)
向いている事業者、向いていない事業者
このプログラムが特に役立つのは、Claudeを組み込んだサービスやアプリを作ろうとしている事業者です。APIクレジットと相談の場の両方を使えるためです。応募条件を満たすスタートアップで、社内でもClaudeを本格的に使い始めたい小さなチームにとっては、Teamプランの1年無料が大きな助けになります。
一方で、すでにTeamプランを契約している組織は、Teamの特典の対象外です。また、設立から5年を超え、直近2年以内に資金調達もしていない会社は、応募の条件に当てはまりません。
まとめ
Claude Startupsは、日本のスタートアップも応募できるプログラムです。設立5年以内、または直近2年以内に資金調達していれば対象で、ベンチャーキャピタルからの出資は条件ではありません。承認された会社には1,000ドルのAPIクレジットが付与されます。Teamを初めて使う組織は、Premium席を最大5席、1年間無料で利用できます。パートナー企業の特典や、Anthropicとの相談の場も用意されています。
Claudeを業務にどう組み込むか、何から試すかで迷っている場合は、デジタルの窓口にご相談ください。AI導入と業務効率化の支援を行っています。独自ドメインのホームページがまだない場合は、制作からご相談いただけます。ご相談とお見積もりは無料です。
※この記事の内容は2026年10月7日時点の公式情報にもとづいています。条件や特典は変更されることがあるため、申し込みの前に公式ページで最新の情報をご確認ください。
※プログラムの拡充の背景や、以前の条件との違いは、テクノロジーメディア『innovaTopia』の解説記事でも詳しく取り上げています。innovaTopiaの解説記事を読む

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