OpenAIは9月29日、専用のコンピュータを持ち、24時間働くAI「dots」を発表しました。注目したいのは、性能よりも、任せる範囲を最初に区切っている点です。パスワードの変更のような大事な作業は、必ず本人が行います。新しいAIを試す前に、小さな事業者が確認しておきたい3つのことを、順に整理します。
新しいAIを試す前に、確認したいのは3つだけです
AIの新しい発表は、毎週のように続きます。すべてを追う必要はありません。仕事に取り入れるかどうかは、次の3つで判断できます。
- 人が最後に確認する仕事を、決めているか
- 費用が、何に対して数えられるかを知っているか
- 提供元が、うまくいかなかった数字も出しているか
OpenAIの発表を例に、順に見ていきます。
任せる範囲は、AIの側にも区切りがあります
dotsは、OpenAIが「常時稼働のエージェント」と呼ぶ新しい仕組みです。エージェントとは、指示を待つだけでなく、頼まれた仕事を自分で進めるAIのことです。1体ごとに専用のクラウドコンピュータと専用のIDを持ち、24時間働きます。
目を引くのは、権限の設計です。アカウントに影響する作業は、本人の指示とルールに照らして確認され、次の3つに振り分けられます。
そのまま進めてよいもの、承認が必要なもの、本人が行うものです。パスワードの変更のような大事な作業は、本人が行います。

OpenAI自身も、dotsも間違えることがあるので、重要な作業は必ず確認してほしいと書いています。開発者向けの例でも、最後の確認は人が担う形でした。
小さな事業者にとって、最初に任せる仕事は、間違っていても取り返しがつくものが向いています。お客様への返信の下書きや、毎月の報告書の下書きのように、最後に自分で目を通せる仕事です。そこから始めると、任せる範囲を確かめながら広げられます。
費用は「会話」と「作業」で数え方が違います
dotsの最初の1体は、ProまたはBusiness Premiumというプランに含まれ、追加料金はかかりません。dotとの会話は、ChatGPTの利用上限に数えられません。一方で、dotに頼んでChatGPT Workなどで作業を始めると、その作業は通常どおり数えられます。
相談は軽く、作業は重く数える線引きです。AIを仕事に使うときは、月にどのくらいの作業を任せるのかを、先におおまかに見積もっておくと、あとで驚きません。
提供の対象地域は、OpenAIの公式ヘルプで案内されています。日本での利用可否は、ご自身の環境で確かめてください。
安全性の資料は、良い数字も悪い数字も載せています
OpenAIは同じ日に、新しいモデルGPT-6.1 Solの安全性の資料も公開しました。コーディング作業を模した社内の試験で、利用者が予想せず、強く反対しそうな動きを数えています。その件数は、前のモデルの42件から28件に減りました。
社内の作業を模した試験のため、社外での安全性を直接測った値ではないと、OpenAIは断っています。
一方で、警告を受けても別の手を試してしまう割合は23.5%で、上位モデルの17.4%より高くなっています。OpenAIは、この割合が意図的に難しい条件で測った値で、通常の利用での発生率を示すものではないと断っています。
AIを選ぶときは、性能の数字だけでなく、提供元がうまくいかなかった数字も出しているかを見ます。数字の条件まで公開しているかどうかは、選ぶときの判断材料になります。
最初にすることは、3つだけです
順番があります。次の3つから始めると、無理がありません。
- 使いたいAIの対象プランと対象地域を、公式のページで確かめる
- 任せる仕事を、取り返しがつくものに1つだけ絞る
- 1か月後に、任せた範囲と費用を見直す
技術的な詳細や、発表ごとの提供範囲の一覧は、テクノロジーメディア『innovaTopia』の解説記事にまとめています。
まとめ|AI活用は、任せる範囲を決めるところから始まります
新しいAIが出るたびに、性能の話が先に立ちます。仕事に取り入れるときに効いてくるのは、人が最後に確認する仕事、費用の数え方、うまくいかなかった数字の読み方です。
デジタルの窓口では、AI導入と業務効率化の支援、セミナー・研修を承っています。何から始めればいいか分からない、という段階からご相談いただけます。ご相談とお見積もりは無料です。
参考
- OpenAI「dots のご紹介」(2026年9月29日)
- OpenAI「GPT-6.1 Sol のご紹介」(2026年9月29日)
- OpenAI「Addendum to GPT-6 Astra System Card: GPT-6.1 Sol」(2026年9月29日)
- innovaTopia「【解説】OpenAI、DevDay 2026でdotsを発表|GPT-6.1 Sol・安全性補遺も」
著者
山本 達也(やまもと たつや)
合同会社デジタルの窓口 代表社員/AI活用ナビゲーター
兵庫県姫路市を拠点に、ホームページ制作とWeb集客の支援をしています。
公的機関が主催するAI活用セミナーで、10回以上登壇しました。
主な主催団体
・兵庫県商店街振興組合連合会
・一般財団法人 明石市産業振興財団
・姫路市市民活動・ボランティアサポートセンター
テクノロジーメディア『innovaTopia』のテクニカルライターも務めています。
生成AIやサイバーセキュリティの分野で、累計約4,500本を執筆しました。
ほかに姫路経済新聞の記者、異業種交流会「クロストーク」のファウンダーを
しています。

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