Microsoft提供のSMS認証が2027年2月で終わります

Microsoft 365にログインするとき、携帯電話にショートメッセージで確認コードが届いていませんか。Microsoftがそのメッセージを配信する仕組みが、2027年2月1日に終わります。電話がかかってくる方式も同じ日に終わります。Microsoftが2026年7月に告知し、9月に日程を更新した変更です。何に切り替えればよいのか、いま何を確認しておけばよいのかを、順番にまとめました。

目次

2027年2月1日、Microsoftが配信するSMSが終わります

2027年2月1日に止まるものとしてSMSで届く確認コードと電話での音声確認、止まらないものとして認証アプリの通知、認証アプリの確認コード、通信事業者を自社で手配した場合を並べた図

Microsoft 365やTeams、Outlookなどにログインするとき、パスワードのあとに数字の確認コードを入れている方がいます。そのコードが携帯電話にショートメッセージで届いているなら、今回の変更の対象です。電話がかかってきて確認する方式も同じです。

Microsoftは、このメッセージと電話を自社で配信することをやめます。期日は2027年2月1日です。

自社で通信事業者を手配すれば、SMSと音声を使い続けられます。手配しない場合に、届かなくなります。手配の進め方は後ほど触れます。

Microsoft Authenticatorなどのアプリによる認証は、今回の廃止の対象ではありません。通知を承認する方式も、アプリに表示される確認コードを入力する方式も、引き続き使えます。ただし、SMSや音声もあわせて有効になっている方は、パスキーの登録を促される対象に入ります。

止まるとどうなるのか。ほかの方法を登録していない方は、ログインの途中でパスキーの登録を求められます。登録を終えるまで、先へ進めません。

締め出されるわけではありません。ただし、朝いちばんの忙しい時間に、はじめての設定作業が発生します。

移行先として勧められているのはパスキーです

Microsoftが主な移行先として挙げているのはパスキーです。端末やパスワード管理の機能に保存された鍵を、指紋や顔、端末の暗証番号などで解除してサインインします。

Microsoft Authenticatorなどの認証アプリも、引き続き使えます。すでに社内で使っている方がいるなら、そこへ揃える形でも構いません。ただしMicrosoftが勧めているのは、偽サイトに渡せる情報を持たない方式のほうです。

パスキーの機能そのものに、Microsoft Entraの追加のライセンス費用はかかりません。すべてのプランに含まれているためです。ただし、端末の条件を確認したり、使い方を社内に伝えたりする手間は残ります。

なお、SMSや音声を使い続ける必要がある場合は、2026年10月30日からMicrosoft Security Storeで通信事業者を選べるようになる予定です。期限までに設定と利用者の移行を終えれば、引き続き使えます。契約と設定に加えて、通信の費用が継続してかかります。

パスキーや認証アプリと比べて、どちらが自社に合うかを判断することになります。

なぜ電話番号をやめるのか

確認コードが狙われる2つの経路として、偽のログイン画面が入力された数字を本物のサイトへ中継する流れと、なりすましの申し込みによる番号の再発行で確認コードが別の端末へ届く流れを並べた図

ショートメッセージで届く確認コードは、長いあいだ安全の目印として使われてきました。その前提が崩れてきたためです。

偽のログイン画面を作り、入力された数字をその場で本物のサイトへ渡す手口があります。人が読んで打ち込める形をしている以上、横から渡されることを防げません。

電話番号そのものを奪う手口もあります。本人になりすまして携帯電話会社に再発行を申し込み、番号を乗っ取る方法です。

パスキーが強いのは、渡せる文字列が存在しないためです。鍵は登録した相手にだけ反応するので、偽の画面に差し出すことができません。

グローバル管理者と外部ユーザーは、止まる日が違います

期限が2つに分かれることを示した時系列の図。2027年2月1日が大半の利用者、2027年7月1日がグローバル管理者と外部ユーザー

1つ、知っておいていただきたい例外があります。

Microsoft Entraで「グローバル管理者」というロールを持つアカウントと、外部ユーザーは、2027年7月1日まで猶予されます。それ以外の方は2月1日です。

会社での肩書きとは関係がありません。管理者として登録されていても、ユーザー管理者など別のロールであれば2月1日の組に入ります。

自分がどのロールなのかは、Microsoft 365の管理センターで確認できます。従業員の方の設定を先に見ておくと、2月に慌てずに済みます。

いま確認しておきたい3つのこと

いま確認したい3つとして、誰がSMSや音声で受け取っているか、パスワードを忘れたときの復旧手段、Microsoftからの連絡を誰が見ているかを並べたチェックリストの図

誰がSMSや音声で受け取っているか

まず、確認コードをショートメッセージや電話で受け取っている人を洗い出してください。そのうえで、その方がパスキーや認証アプリを登録できる端末を持っているかを確かめます。

設定の棚卸しをする機会でもあります。すでに退職した方の番号が登録されたままになっていないか、この機会に見ておく価値があります。

パスワードを忘れたときの復旧手段

今回の変更は、パスワードを自分で再設定する仕組みにも及びます。通信事業者を自社で手配せず、復旧の連絡先がMicrosoft提供のSMSや音声だけになっていると、その方法での再設定もできなくなります。

メールアドレスや認証アプリを復旧の手段として使えるかどうかは、管理者側の設定によります。あわせて確認しておくと安心です。

誰がMicrosoftからの連絡を見ているか

今回の告知は、Microsoft 365の管理画面にある「メッセージセンター」という場所に出ています。既定では、週に1回のまとめメールが管理者の主要なメールアドレスへ届く設定になっています。

届いていても、読む人が決まっていなければ同じです。誰宛てに届いているか、その人が目を通しているか。この2つを先に確認してください。

社内に詳しい方がいない場合

設定を触る役目が社内にいないことも多いと思います。その場合は、契約しているIT関連の事業者か、Microsoftのサポート窓口に、今回の変更について確認してみてください。

伝える内容は「多要素認証をSMSで受けているので、2027年2月の廃止に向けて設定を変えたい」で通じます。

まとめ

期日は2027年2月1日です。この記事を書いている時点で、残りはおよそ4か月あります。

確認したいのは3つです。誰がSMSや音声で確認コードを受け取っているか。パスワードを忘れたときの復旧手段が何になっているか。そして、Microsoftからの連絡を誰が見ているか。

これに加えて、グローバル管理者と外部ユーザーに該当する方がいるかどうかも見ておいてください。止まる日が変わります。

ここまで分かれば、2月までに何をすればよいかの形が見えてきます。朝にログインできない日を作らないために、いまのうちに一度だけ目を通しておくことをおすすめします。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

デジタルとリアルの交差点をつくる

合同会社デジタルの窓口 代表
山本 達也(ヤマタツ)

兵庫県姫路市を拠点に、WebディレクションやAI活用支援をはじめ、多岐にわたって活動しています。IT専門メディアのテックライター・AIナビゲーターとしては、生成AIやエージェンティックAI、サイバーセキュリティ、宇宙開発といった最先端テクノロジー領域を中心に、これまでに累計約4,500本の記事を執筆してきました。

ウェブ解析士やデジタル推進委員としてのデータに基づく専門的な視点を持つ一方で、ハイブリッド型ビジネス交流会「クロストーク」の代表も務めています。オンラインの最先端テクノロジーだけでなく、オフラインの「人と人との繋がり」や地域のコミュニティを大切にし、デジタルとリアルの両面から起業家や企業の皆様に伴走するスタイルを得意としています。

コメント

コメントする

目次